最初に断っておくと、筆者は加入者です。そう、
「入ってしまった!ファック!!凸(`皿´#)」
と書かざるを得ないくらい、国民年金基金はトラップだらけのクソ金融商品である。
なので、このエントリを読まれる諸氏は、よくよく他山の石としてご注意いただきたい。(いまこれ打ちながらも怒りで震えています)
国民年金基金の大きなデメリット
●積立不足を新規加入者に押し付けている(これが超最悪)
国民年金基金、積み立て不足1兆4千億超 11年度末 (日本経済新聞 2012/10/23)
国民年金基金、保険料7%上げ 新規加入4月以降 (日本経済新聞 2014/2/16)
もともとの商品設計がずさんすぎたせいで財務が悪化しているのに、そのツケを「掛け金値上げ+予定利率ダウン」というダブルパンチで新規加入者に押し付けている。最低である。
●超無責任
元本割れしても知らんから、と堂々とうたっている。 国民年金基金 重要なお知らせ
●一度加入すると脱退できない
納付済みの金は完全にロックされ、いかなる理由でも引き出しは不可。
●払い込み免除特約もない
民間保険会社の年金や保険には条件付で支払いが免除される特約がある。国民年金基金にはない。
●障害給付もない
確定拠出年金や民間保険会社の年金や保険は、高度障害になった場合は給付される。国民年金基金にはない。
国民年金基金のしょぼいメリット
●終身年金なので生きてる限りもらえる
ただし、掛け金以上の給付を受け取るには、給付開始年齢からおよそ20年(!)かかる。
日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が86歳くらいなので、「60歳から給付を開始して、平均以上に生きたらモトがとれる」ことになる。
いま30歳の人が、掛け金を回収できるのは50年後だ。
そんな金融商品にあなたは魅力を感じるだろうか?
●年金控除枠を使える
確定拠出年金がなかった時代には、この恩恵はあっただろうが、今はこのメリットはほぼない。
●高い予定利率
現在は1.5%なので、国債や定期預金と比較すると断然高い。
しかしこの利率は加入時に固定されてしまうので、今後、利上げされても既存加入者には適用されない。
少なくとも現安部政権はインフレを経済政策の柱としている。通常、インフレ=金利上昇はワンセットなので、そうなった場合低金利時代に加入した人は逆ザヤになる可能性が高い。
おいおいどれもメリットになってねーじゃんよ?!
破綻リスクは?
積立金不足ということは、すわ破綻するのか?!と心配になるが、少なくとも今すぐどうこうということはない。
数年内に破綻はないが、破綻に向かって着実に進行している。
作家の橘玲は 国民年金基金についての私的提言 で、このグダグダ基金について2つの善処策を提案している。
- 解散して加入者に資産を返す
- 高い予定利率の加入者の利率を下げる
たしかに現実的な解決策だ。やるべきだと思う。
ただ、筆者が思うに、これを実行するインセンティブは政権側にも基金側にも望めない気がするのだ。
というのは、国民年金加入者数は約2800万人いる。破綻したときのインパクトがハンパないし、国が保障すると法律で決められているので、なんとかかんとか回していくしかないというインセンティブが働く。
しかし国民年金基金の加入者数はたった52万人しかいない。破綻してもその影響はたかが知れており、そもそも国が担保するとも言ってないので、責任の所在が不明瞭だ。
これでは誰も「どうにかしなければ!」なんて思わないだろう。
国民年金基金の未来はきわめて暗い。
加入者は今すぐ2口目を減口→納付ストップ
金融商品としての魅力に欠け、破綻に向かって進み、問題が解決される見込みも低い国民年金基金に掛け続ける理由はない。
すでに加入済みで、これ以上損失リスクを広げたくないという人は、2口目をすべて減口し(1口目のみの契約にする)、納付をやめるしかない。
納付をストップすると下記2点のデメリットがある。
- 年金の控除枠6万8千円のうち1口目相当の金額を毀損する(筆者の場合1口目の掛け金は約1万1千円である。確定拠出年金を満額掛けたとしても、控除上限は57000円となる)
- 高利回りの「付加年金」の恩恵も捨てることになる
それでもこんなクソな基金に搾取され続けるよりはマシだろう。
そして今後も国民年金基金の行方には注意を払い、財務が健全化するなり、橘玲が予想するように
仮に高インフレで国債利回りが10%を超えるようなことがあれば、「国民年金基金はインフレに無力」との批判とは逆に、基金が抱える深刻な矛盾はすべて解決されてしまうだろう(たぶん)。
という事態になったら、また納付を再開すればよい。(現制度では2年前までさかのぼって納付できるので、納付したつもりで貯金を続けるのが得策だ)
運良くまだ未加入の人、加入を検討していた人は「付加年金+確定拠出年金」の組み合わせがベターだと思います。
厚生年金に比べ、保障のうすい自営業、個人事業主、フリーランスの支援策として始まった国民年金基金だが、初期の高利率加入者以外はまったくその恩恵を受けないまま破綻への道を歩んでいる。
さっさと解散して掛け金を返せと言いたい。
10 件のコメント :
当時、責任準備金という考え方を知らず、基礎年金の封筒のパンフレットを読んで、国民年金という名称に安心感を憶え加入しました。 解散も有り得て、残余額を連合会に移行して将来、年金として受け取れるようにするという
書き方は卑怯だと思いました。約370万円掛けていました。 現在は掛け金停止して、ジブラルタル生命のエンドリスドリームに加入しました。 悔しいのは、基礎年金の上乗せである付加年金に加入できないことです。毎月、数百円払えばいいだけなのに・・・。 また、優香がCM流してるのですね。まぁ、興味がある人は支払っている人だけですけど。
それにしても、どうして「年金基金」のダイレクトメールが送られてくるのでしょう。
政府も、国も責任を取ってくれない組織なのに。
あたかも、国民年金のような安心感を与え、国から送られてきたような錯覚で、もう少しで私も加入するところでした。
物価スライド方式ではないのですね。こわいこわい・・・
ですね、国民年金のような名前と人気タレントで、かなりイメージ操作してます。
ほんと付加年金に入れないとか、どんなトラップだよ?!ってかんじです。
まあ80歳以上まで生きれば元は取れるんですけどね。。。
個人事業主って厚生年金みたいに割としっかりした公的な年金制度が無いのが問題ですよね。
若いころ、フリーターやってた時に親に勧められて数ヵ月ですが入ってしまいました
親が自分を心配して教えてくれたんだと感謝すらしていましたが・・・
その後正社員になり厚生年金に加入したので脱退
今は自営業ですが、親が再び勧めてきました
現状を教えてやって何度断っても不満気に「老後どうなっても知らないぞ!」と言って
しばらく時が経つととまた勧めてきます
再加入した方が老後資金減るっつうの!
若いころあまり勉強してこなかった人だから理解力の限界なんですかね、多分自分と親のどっちかが死ぬまで分かってもらえないでしょう
大体現在の収入も少ないから節税効果すらほとんど無いってのに
付加年金も入りたかったのに酷過ぎる
親心で子供を損させてどうするんだよ
知識の裏付けがない愛情は時として相手を傷つける事を思い知らされています
コメントありがとうございます。
親御さんは匿名さんのためを思って言ってるからやっかいですよね。僕たちの親世代って「お国がやってることなら安心」と何も考えずに信じてるフシがあります(汗)というか基金はお国は関係ないんですけどね。
僕もネットがなかったら、国民年金基金の欺瞞に気づかなかったと思います。本当にヒドい金融商品ですわ。
基金加入者です。付加年金加入と基金解約できないというのを知りまして、でもなんか対応策を示してくれるんじゃないかと思い基金に電話してみました。最初女性が対応して話した後、担当に代わりますといわれ待っていると、男が出てきてゆっくりめにネットに書いてあることと同じことを話すのみ。担当というのはクレーム担当か、という感じでした。しょっちゅう来てるんでしょうね。
コメントありがとうございます。
基金に電話してみたんですね!なるほど、それは手慣れてますね。ゆっくりしゃべってイライラさせて電話を切らせる作戦なんでしょう。
加入は個人の任意にすべきです。入ったら最後、抜けれないって悪質極まりないですよ!!
私のところへも今日はじめてパンフレットが届きました。国の年金も信用できないのに、こんなものを送ってきて、凄く腹立たしい思いです。こう言う本音を書いてくださる方が居られて、本当に感謝致します。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。国民年金「基金」は本当に入るべき商品ではないです。こんなんやるくらいなら確定拠出年金をやったほうがいいです。
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