2016/04/24

不可解なおしゃれレトロなドラマ『マッドメン』




このPVだとサスペンスみたいだが、

全然全然全然そういうドラマではないw



主人公のドン・ドレイパーは

とにかくヒゲが濃い男。。。

と、それはどうでもいいのだがw、

大手広告代理店で働き、

上司やクライアントの信頼も厚い

ザ・デキる男。

プライベートでは

ブロンドの美人妻+かわいいキッズ

と暮らしながら

ブルネットの愛人(それも複数w)を股にかけ、

オフィス、営業先、出張先いたるところで

美女に言い寄られる日々。



仕事も女もすべて手に入れた俺!キュッキュッ!

(↑めっちゃ酒飲んでる)

でもどこか満たされない俺。。。スパースパー!

(↑めっちゃタバコ吸ってる)

「あ、そう。。。」

と見てるこっちは少々シラけながらも、

大きな秘密を抱えたそぶりで

視聴者を引っ張りながら

話は進んでいく。



全体的にはスカした感じの、

お洒落レトロとでも言うべきドラマだが、

一方で、常識的にタブーとされてること、

セクハラ、モラハラ、差別、不条理を

これでもか!これでもか!と盛り込んでおり、

実はそこが非常に見所な作品だったりもする。



最近の海外ドラマって、

特定の職業に、特定の人種が偏らない配慮がされている。

(これをアファーマティブ・アクションという。)

現実は白人ばかりの職業(例:企業や政府の要職)でも、

ドラマでは黒人、女性、アジア人が

バランスよく登用されてたりする。



しかしこのドラマでは

見事に人種差別的に肌の色で職業が分かれている。

エレベーターボーイ、清掃夫、メイド、など

ブルーカラー職は全員黒人だ。

オフィスで働くホワイトカラー職は全員白人である。

アジア系はほとんど出てこないのだが、

初回では露骨な中国人差別のシーンが

出てきて度肝を抜く。



モラルに欠けるシーンも多い。

妊婦なのにタバコ吸ってたり、

アルツハイマーのじいさんが

子供に車を運転させてたり、

公園でピクニックしたあと

ものすっごいゴミを散乱させたまま帰っちゃったり。



平等や公平や常識といった「建前」を重んじるあまり

ストレスがたまっている現代人に

お前らの本音はこっちやろ?そうやろ?

お行儀よく生きるなんてウンザリやろ?

っていうメッセージを突きつけてるような

非常に実験的なドラマだ(いや知らんけどw)。



笑いを狙ってるのか何なのか

意味不明なシーンもやたら多い。



たとえば、胸と尻がデカすぎるお局秘書、ジョーン。

ドラマに出てくる女性の中で

一人だけ凹凸のあるプロポーション+上司と不倫してるので、

てっきりお色気要員だと思って見ていたら、

不倫はいつの間にかフェードアウト。

ただただ不自然に胸と尻がデカいだけの女と化す。

ナゾw



ウブな新人秘書、ペギー。

入社するなり同僚ピートとオフィスセックスするも、

淡々と仕事をこなし、キャリアアップしていく。

「ウブそうに見えて実は」

っていう設定かと思いきや、

特になにもなく話は進み、

ペギーのハレンチぶりを忘れかけたころ、突然

「実は同僚の子供を産んで養子に出していた」

と衝撃のカミングアウト。

え!おまえいつの間に?!

ナゾw



あと男も女もやたらゲロを吐く。

ナゾw



「?」と興味を引きながら

本筋には関係ないシーンが多くて

一体何なのか?と目が点なまま

話は淡々と進んでいくw

そしてそのまま

「時間がきたので終了です」みたいな感じで、

キリの悪いところで唐突に終わるw



伏線がしっかり回収されて、計算高い脚本の

ドラマが多い中で、行き当たりばったり(に見える)

このドラマは、ほかにあまりない感じで新鮮だった。

賛否は分かれそうだが、オレは全部見てしまったw



時代設定が1960年代ということで、

服、車、家のレトロさは見てて楽しい。

パソコンと携帯電話は出てこない。

プレゼンもパワーポイントではなく、

デザイナーが手書きで描いた紙のボード。

米ソ冷戦、ニクソンvsケネディの選挙戦時の

一般市民の動揺や歓喜も描かれていて

歴史背景を知るドラマとしても興味深い。

『マッドメン』はHuluで視聴可能。今なら2週間無料視聴できる。



これはオープニングクレジット。

ちょっと不穏な感じの音楽とアニメが合ってる。

洒落てんね~w




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