2013/04/28

書評『女が男を厳しく選ぶ理由(わけ)』

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という本を読んだ。

タイトルだけ見るとよくあるナンパ本のようだが、これは進化心理学という新しい学問から、数々の社会現象、社会問題を説明する、一応真面目な本である。

ただ読後の感想を一言で言っちゃうと
「統計学なのか?」
みたいな感じ。

本書では


  • 男はなぜセクシーなブロンド美女が好きで、女はなぜセクシーなブロンド美女になりたがるのか
  • 女のほうが家庭を大事にするのはなぜか
  • なぜ男は結婚すると”落ち着く”のか
  • 男の政治家はなぜあらゆるものを失うリスクを冒してまで、不倫をするのか
  • なぜ女性は男性よりも信心深いのか


等々の疑問が進化心理学の視点から解説されている。

ま、簡単に言っちゃうと、男も女も子孫を残すようにDNAにプログラムされてるから、ってのが理由。

いろいろなサンプリングデータを引っ張ってきてもっともらしく説明しているけども…いまいち、

「学者ってのはヒマなのか?」

という感想しか持てなかったわ(汗)。

マイノリティを無視したおおざっぱな統計結果、って印象。

ひとつ、読んでて「ほおお」と思ったのが、なぜ自爆テロ犯の多くはイスラム教徒なのか?(p.189)というところ。

自爆テロは宗教と無関係な場合もあるが、宗教が絡んでいる場合、例外なくその宗教はイスラム教なんだそうだ。

コーランにテロをそそのかすようなことが書かれているわけでもないのにこれはなぜなのか?

イスラム教がキリスト教、ユダヤ教など他の主要な宗教と大きく違うのは、一夫多妻制を認めていること。
一夫多妻では、一部の男性がすべての女性を独占し、多くの男性から繁殖機会を完全に奪ってしまう。
繁殖ゲームの完全な負け犬となってしまった男、特に地位の低い若い男性同士の競争が激化すると、暴力的になる。
実際、一夫多妻の社会では殺人やレイプなど暴力犯罪の発生率が高い。
加えて、コーランには「殉教者は天国で72人の処女妻に迎えられる」ということが書いてある(!)。
地上で一人でも妻を持つ者はともかく、繁殖機会を奪われた若いイスラム教徒の男にとって、これは自爆テロに走る強い動機付けとなる。
実際、自爆テロに走る男は若い男が際立って多く、ほぼ例外なしに独身であることがわかっている。

ってな話。

コーラン、とんでもないこと教えてやがるな(汗)。

んだから、従来のテロ(IRAとか日本赤軍とかETA)と自爆テロというのは根本的に違うのだそうだ。

従来のテロは政治的メッセージを持ったものだが、自爆テロの根源にあるのはセックスである、と。

イスラエルとも米英軍とも本質的には関係ない、というのが進化心理学の視点。

ほんとかどうか知らんけど、なるほど、という感じはする。
(単なる”教育の欠如”なんじゃ?っていう気もするけど)


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